ENJOY! GREEN GUIDE 自然といい顔になる体験をお届け 体験型サステナブルリゾート

地域の未来を創る

鬼怒川の薪火料理にワクワク。サステナブル志向の本格レストラン

風光明媚な温泉地として名高い、栃木県・鬼怒川温泉エリア。ここに、会員制リゾートクラブ「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」はあります。

別荘を持つ喜びと、ホテルならではの手軽さを同時に手に入れられるのが特徴の東急ハーヴェストクラブは、1988年に長野県・蓼科で誕生。現在は全国に28の施設があります。客室面積が広く、ゆとりある上質な空間を提供するのが「VIALA」シリーズです。

今回スポットライトを当てるのは、東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠で薪火料理を提供するレストラン「炅(けい)」。地産地消をはじめ、「炅」が取り組むサステナブルな活動の数々をご紹介します。

※調理中はマスクをつけますが、撮影のため外しております

東急リゾーツ&ステイ株式会社

総支配人 鈴木 裕臣

「東急ハーヴェストクラブ鬼怒川」で15年間勤務、「東急ハーヴェストクラブ那須」で5年間勤務中に、「東急ハーヴェストクラブ那須Retreat」の開業を担当。その後「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」の開業を担当し、現在に至る。

「東急ハーヴェストクラブ鬼怒川」で15年間勤務、「東急ハーヴェストクラブ那須」で5年間勤務中に、「東急ハーヴェストクラブ那須Retreat」の開業を担当。その後「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」の開業を担当し、現在に至る。

東急リゾーツ&ステイ株式会社

総料理長 佐野 剛広

「東急ハーヴェストクラブ鬼怒川」で8年間勤務のあと、「東急ハーヴェストクラブ那須」の開業に参加、5年勤務。「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」の開業に参加し、8年間勤務し、「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」の開業とともに異動、現在に至る。

「東急ハーヴェストクラブ鬼怒川」で8年間勤務のあと、「東急ハーヴェストクラブ那須」の開業に参加、5年勤務。「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」の開業に参加し、8年間勤務し、「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」の開業とともに異動、現在に至る。

雄大な鬼怒川渓谷を一望。「東北・北関東」の生産者の思いをつなぐリゾート

東武鬼怒川線・浅草駅から特急電車に揺られること、約2時間。東武ワールドスクウェア駅を降り立ち、3分ほど歩くと、落ち着きのあるグレーの外観が出迎えてくれます。2022年12月に開業し、「東急ハーヴェストクラブ鬼怒川」に隣接する、「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠(以下、鬼怒川渓翠)」。駅からアクセス抜群の好立地にありながら、雄大な鬼怒川渓谷が眼下に広がります。

VIALA鬼怒川渓翠の外観

東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠。鬼怒川渓翠をはじめ各施設は、会員だけではなく、一般の方も利用できるホテルハーヴェストとしても運営

ホテル共有スペースの内観

ホテル内では北関東・東北エリアの国産石材や木材を建材として使用

間伐材ベンチ

鬼怒川渓谷を一望できる屋外のベンチには間伐材が活用されている

「栃木県の石」として知られる大谷石が壁にあしらわれた正面入り口に到着すると、スーツ姿の男性が、「いらっしゃいませ」。鬼怒川渓翠の総支配人、鈴木裕臣さんです。チェックイン・カウンターを左手に見ながら奥へと進み、案内してくれたのは、レストラン「炅」。「北関東や東北の生産者とテーブルをつなぐこと」をテーマにしたレストランです。

「食材や食器、調理に使用する薪などは、東北・北関東のものをメインで使用するようにしています。サステナブルという意味で言うと、ガスを一切使わない点がほかのレストランとの一番の違いですね」と鈴木さんは話します。

東急リゾーツ&ステイ株式会社 鈴木裕臣さん

東急リゾーツ&ステイ株式会社 鈴木裕臣さん

レストランのカウンター席

レストラン「炅」

レストランの窓際の席

地元食材の味を引き出す薪火料理。栃木出身の料理長に聞いたおいしさの理由

レストラン「炅」の一番の魅力は、地元で採れた新鮮な食材をカウンター席の目の前にある薪窯で豪快に調理する、「炎」を使った料理の数々です。

旨みを閉じ込めながら焼き上げる薪火、遠赤外線効果でじっくり火を通す炭火、高温の炎で独特の食感と香りをまとわせる藁の火など、さまざまな炎で食材のおいしさを引き出した料理を楽しめます。使用する薪は北関東の山から仕入れ、仕入れたぶんの苗木を山に植える活動を行なっています。

鈴木さん

豊かな森を、次の世代につないでいきたいのです。将来的には、調理の際に出た灰の再利用も考えています。たとえば、灰を肥料として使ったり、野菜のアク取りに活用したり。そうすることで、未来志向のサイクルがさらに広がっていくのではないかと考えています。

薪から火が上がっている様子
燃え終わった後の様子

「炅」では、マツやスギ、クヌギ、コナラ、ブナ、サクラなど、さまざまな種類の薪を食材やメニューに合わせて使い分けており、「炅」の総料理長を務める佐野剛広さんは、「薪を使った料理の醍醐味は、何と言っても『香り』ではないでしょうか」と話します。

佐野さん

つけたい香りに合わせて使用する薪の種類を変えています。たとえば、肉料理に合うのはコナラやクヌギですね。一般的なガス調理とはまるで違う、豊かな香りをまとわせることができます。薪の種類によって火の燃え方も変わってきて、力強い炎のときに食材の表面をサッと焼くこともあれば、静かに燃えているときに食材の表面をしっかり焼き、なかをしっとりと仕上げることもあります。

東急リゾーツ&ステイ株式会社 佐野剛広さん

東急リゾーツ&ステイ株式会社 佐野剛広さん

一般的なガス調理とは違い、薪火は絶えず火力が変化するもの。ほんの少し目を離しただけでも火の上がり方が変わるため、意図したとおりに仕上げるのは容易ではありません。そんな薪火を自在に操る佐野さんですが、薪火料理は、「炅」に勤めてから研究を重ねて習得したそうです。

佐野さん

もちろんはじめは苦労しましたが、いまでは薪を見るだけで、「この薪はどのくらいまで燃え上って、どのくらいで火が落ち着くか」がある程度わかるようになりました。

薪の種類、重さ、手で触れたときの感触。そうした情報から、火力を想定しています。ガスのような均一な火力ではないところが薪火の難しいところですが、毎回新しい発見があって、楽しいですよ。

燃える薪に風を送る様子
薪を使った調理の風景
五穀和牛を網の上で焼き上げる様子

取材時にいただいたメイン料理は栃木県産の五穀和牛、副菜には茨城県の柴田農園さんで育てられた無農薬のマイクロハーブなどが使われていました。

佐野さん

生産者さんに寄り添ったメニューをお客さまに提供し、地産地消を実現していくのも「炅」で大切にしていることのひとつです。

生産者さんのもとに足を運び、直接顔を見て話をし、おすすめの食材をヒアリングしたり、余った食材を分けてもらったり。私は生まれが栃木県なのですが、「炅」に来てから、生産者さんに寄り添ってメニューをつくりたい、という思いがより一層強くなりました。

料理が並ぶ様子

手前は「五穀牛の薪火焼き」。つけ合わせは大根もち。右奥は「三陸翡翠あわびのパイ包み焼き」

料理が並ぶ様子

「逆さまにしたタルト」。なかには薪窯で焼いたタラバガニ、下はクスクス

料理が並ぶ様子

フランス発祥のレアチーズケーキ「クレームダンジュ」。とちおとめのソースをかけて栃木県風に

「持続可能性を高めるために、地域と共存していきたい」

ホテルの食材の仕入れには安定供給が求められるため、地元の小規模な生産者では対応できないことも少なくありません。その課題を解決できたのは、「地元・栃木県出身の佐野総料理長がローカルの人とチームを築いてくれたからこそ」だと鈴木さんは説明します。

鈴木さん

良い食材があっても、毎週農園まで通い、食材を受け取るのは物理的に難しいですし、それは生産者さんも同じこと。そうした配送の問題から取引に結びつかないこともあるのですが、農家さんのもとを回って食材を受け取り、ホテルまで届けてくれる方を佐野総料理長が見つけてくれて。

地元の小規模な生産者さんが丁寧につくった食材を使えているのは、食材を届けてくれる方と良好な関係性を築けたからにほかなりません。

インタビュー時の鈴木さん

インターネットや地元の新聞をこまめにチェックするなど、旬の食材や、地場の食材の情報にはつねにアンテナを張っているという佐野さん。貫いているのは「必ず生産者のもとに足を運ぶこと」で、現在取引している生産者も、すべて現場に足を運んだところから協業が始まっています。

栃木県はお肉も、乳製品も、野菜も、お米もおいしく、水もきれいで、こんなに良い場所はほかにない。だからこそ、その素晴らしさをお客さまに伝えていかなければならない、と佐野さんは話します。

佐野さん

無農薬で育てた食材をいただくことが多くて、そのおいしさには感動します。私たち自身が環境の豊かさを感じられているからこそ、地産地消を推進し、安心安全な料理をお客さまに提供していくこと、地域と共存していくことが大切だと考えていて。

地域の持続可能性を高めるために、われわれに何ができるのか。それをつねに考えながら、近隣の方々と手を取り合い、Win-Winの関係を築いていきたいです。

シロップシロップと並ぶクラフトジンジャー

地元の材料を使った「ジンジャーシロップ(原液)」と「クラフトジンジャー」

売店に並ぶジンジャーシロップ

ジンジャーシロップの右に並ぶのは山形県酒田市でつくられる「さかたの塩」各種。これらはレストラン「炅」でも使われており、ホテル内のショップ「会(かい)」でも購入できる

サステナブルな取り組みは地産地消のほかにも。「金継ぎ」で食器を再活用

「鬼怒川渓翠」のサステナブルな取り組みは、「炅」で使われる食器類にも見て取れます。「東急ハーヴェストクラブ」各施設で、ひびが入ったり、数がそろわなくなったりして使用されなくなった物を集め、割れた部分を補修する金継ぎや、エイジング加工などを施して再利用。

簡単に捨ててしまうのではなく、何らかのかたちで再利用できないか、そんな発想から生まれた「循環型」の取り組みです。

テープルセットの様子

エイジング加工のカトラリー

益子焼のお皿が並ぶ

金継きで再生した益子焼の器。小さく輝く金が料理を彩るアクセントに

鈴木さん

いずれ廃棄される、ハーヴェストクラブ全施設の破損した食器類などが、倉庫に集められていました。それをもう一度生まれ変わらせて使うことにしたのです。

食器やカトラリーをつくった生産者さんたちも、長く使ってほしいと願っているはず。そんな気持ちを叶えていくことが大切なのではないかと考えています。

佐野さんも自ら金継ぎ補修を行なっており、「日本の伝統技術を伝えたいという思いから、スタッフ数名で先生のレッスンを受講しました。繊細な作業ですが、割れたり、ひびが入っていたりした食器が、金継ぎによって、世界に一つだけの食器に生まれ変わるのが楽しくて。この取り組みをお客さまに伝えると、とても喜んでくれます」と話します。

人は往々にして、歳を重ねていくと「新しいチャレンジ」に二の足を踏むようになるものですが、佐野さんは、薪火料理にも金継ぎにも前向きに取り組み、「難しいけれど楽しい」と言います。

インタビュー時の佐野さん

「生産者の思いがつまった最後のバトンをお客さまに届けたい」

鬼怒川渓翠をはじめ、東急ハーヴェストクラブを運営する「東急リゾーツ&ステイ」は、2025年度までに、東急ハーヴェストクラブの直営全施設に最新型のバイオ式生ゴミ処理機を導入する予定。廃棄物となっていた生ゴミの約85%を減量し、堆肥化できるもので、「できた堆肥は地域の農家に配布するほか、森林の再生にも利用できたらと考えています」と鈴木さんは説明します。

鈴木さん

「東北・北関東」のものを使って、こんなにも素晴らしいものが提供できる、というメッセージをこれからも発信していきたいです。東急ハーヴェストクラブのなかでは、サステナブルな取り組みに対してもっとも前衛的でありたいと考えていますし、こうした環境に配慮した活動が全国に広がっていったら、こんなにうれしいことはありません。

佐野さん

サステナブルな取り組みを通じて、「東北・北関東」を盛り上げていきたいですね。生産者の思いがつまった最後のバトンを、お客さまのもとにしっかり届けていく。それが私たちの使命だと思います。

インタビュー時 2人が並ぶ様子

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